191029

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最近セリアで原稿用紙メモを買った。

A6サイズでとっても小さいのだが、182文字書くことができる。

特に書きたいものもないので三題噺というのをやっている。

三題噺というのは元々客席から3つお題を出されて即興で落語を組み立てるというやつだそうだ。

Creepy Nuts聖徳太子ラップみたいだね!

 

 お題3つを182字の中に組み込みなんらかの話を組み立てるのはなかなか頭を使うのだが、関連性のないものを繋いでひとつの場面を作るのはなかなか楽しい。

長すぎるとまとまらなくなるので182字くらいが私には丁度いいのかもしれない。

決められた文字数の中で表現を工夫してみたり、必要のない部分を削ぎ落としたり。

本来文章で表現するとはこういうものなのかもしれない。

 

とはいえ私の文章はまだまだ荒削りでただ書き殴っているのと変わらない。オチも盛り上がりもない。人に読ませるクオリティではない。

毎日書いてたら鍛えられるんだろうか。

 

お題は診断メーカーやお題出してくれるサイトから引っ張ってきてる。

 

原稿用紙には書いたが、改行などのルールを無視し詰め詰めに書いているので、普通に入力したものを載せようかと思う。せっかく書いたし。気に入ってるやつだけにしよ、、、

 

 

まだ暗い夜明け前の県道を走る。

「しっかしよくやるよな毎年毎年」

「毎年それに付き合ってんのはどこのどいつよ。ま、初恋の相手には逆らえないかぁ~」

「うっせぇ」

「あはは!照れてんの?かわいい~」

目的地に着き車を停める。

「一つ訊くんだけどさ、何でこんなことすんの?」

「非日常を求めてんのよ。ほら行こ!」

毎年初雪が降った日の早朝、母校の真っ白な校庭に彼女は足跡を付けに来るのだ。

【お題】校庭、初恋の相手、非日常

 

早朝、天気がいいから自動車のボンネットで目玉焼きを作りたいと電話が掛かってきた。

フライパンで焼くほうが衛生面で絶対にいいし路上で目玉焼きを焼いていたら通報されてしまうので勘弁してほしいと主張したのだが敢え無く却下された。

「あそこの駐車場なら広いし遮るものもなんもないでしょ。お日様の味がするよきっと」

助手席で卵パックを抱えた彼女が得意顔で言う。

車は岬を目指しながら走る。

 

【お題】岬、目玉、自転車

 

谷と父という字はどこか似ている。

父が口を開いた形が谷だ。

ぽかーん。

「ふふっ」

思わず笑いがこぼれた。

「何よ?ニヤニヤして」

「いや、谷と父って字が似てるなって」

「なにそれ。そんなことよりどっちがいいと思う?」

鏡の前に座る彼女は頭に髪飾りを交互に当てながら訊いてきた。

「どっちもかわいいから両方付けちゃえば?」

「ちょっと真面目に答えてよ!」

僕は真面目に答えたつもりだった。

【お題】谷、父、髪飾り

 

ウミウシの卵が描かれた絵はがきを貰ったことがある。

それを見たとき海中にシュシュが落ちている絵かと思った。

あと脱ぎ散らかした女性ものの下着に似てる。

「何?人のパンツじろじろ見て」

キッチンで裸のままカルピスを作る彼女が言った。

ウミウシの卵だったらやだなって」

「何それ」

「裸でカルピス作んのやめなよ」

「だって喉乾いたのにあんたん家の冷蔵庫カルピス原液しかないんだもん」

【お題】シュシュ、カルピス、絵はがき

 

ウミウシの話が気に入っている。

ウミウシの卵を描いた絵はがきなんてヤバいシロモノがこの世に存在するとは思えない。

ウミウシの卵は本当にシュシュにそっくりなので気になる人は検索して欲しい。

なんかシュシュがレースフリフリのパンツに似てるみたいな話を聞いた気がしたのでそれに繋げて結局パンツにした。

 

このお題の組み合わせならもっと爽やかな話も書けた気がするのだが、それだと面白くないので。

 

シュシュがよく似合うカルピスが好きなポニーテールの彼女は夏の終わりに遠くの町に転校してしまったから絵はがきでも送ろうかな。みたいな内容よりも事後の男女のどうでもいい会話の方が絶対にいい。