先週の土曜日に久しぶりに映画を見に行った。
映画館は最高。
以下内容に触れるのでネタバレ嫌ならブラウザ閉じてください。
本日! pic.twitter.com/l17eFL8oEz
— 奏 (@emit_efil) 2020年6月6日
「デッド・ドント・ダイ」 監督:ジム・ジャームッシュ 2020・米
私の好きなジム・ジャームッシュ監督の最新作。
なんでもない町に住むなんでもない男の日常を描いた前作「パターソン」から一転、今回はゾンビ映画である。
私はホラー映画が好きな割に鉄板ジャンルであるゾンビ映画はほぼまともに見たことがなく、ウォーキングデッドも死霊のはらわたもドーンオブザデッドもゾンビランドも見たことがない。
バイオハザードはゾンビ映画なんだろうか、、、(バイオは見た)
平凡な田舎の村で日照時間がおかしかったり動物が突然失踪したり通信機器や時計が故障するという奇妙な現象が起こる。
テレビやラジオでは極地でのエネルギー開発事業により地球の地軸がずれ、異常気象などが起きているとニュースが流れている。
そんな中、村唯一のダイナーの女店主とウェイトレスが何者かによって惨殺されるという事件が起こる。
それはこれから起こる恐ろしい出来事の序章に過ぎなかった、、、
みたいな感じで夜になるとゾンビがたくさん出てきて村人や旅行者を襲う。
死者たちは生前執着があったものや場所を目指して行動する。
人も食うけど。
コーヒーや酒、スポーツやファッション、果てはWi-FiやBluetoothと様々な物欲に駆られ徘徊するゾンビたちの姿は物質主義の現代人の姿を痛烈に皮肉っている。
ジム・ジャームッシュといえば、オフビートな作風が特徴だが、今回もゆるーい雰囲気はあれど、ゾンビの首を切ったり割とアクティブだった。
警官役のアダム・ドライバーが高橋優に見えるなどと思っていたが、高橋優だったらもっとちゃんと真面目にゾンビに立ち向かうと思う(高橋優をなんだと思っているんだお前は)
結構メタ的なネタが随所に盛り込まれていたりして(テーマ曲、スターウォーズ、台本、イギーポップのコーヒーゾンビ、他にも私が気付かないだけであるのかもしれない)、劇場でもクスクスと笑いが起きる場面があった。
個人的には最初の被害者を発見した時に「野犬に襲われたのかも」を3回かぶせてくるところがめっちゃ好きだった。
作中一番戦闘力が高い浮世離れした葬儀場の女管理人(刀を振り回す)がUFOに乗って帰るところは度肝抜かれたが。
こういうことするのかジム・ジャームッシュ、、、
あのラストは「まぁ普通の人たちがこういう目に遭ったらこうなるよね。」って感じで個人的にはすごくよかった。