最近見た映画の話

今年に入ってから全くはてブを更新していなかった。

昨年のプリキュアラクルリープの感想を描き損ねたが、今年に入ってから見たものの感想を書いていく。

今日仕事が暇なときにメモ帳に書きなぐった箇条書きを適当に加筆したものなので内容が雑多でリーダビリティを完全に無視したものになっている。

ネタバレしまくりなので今後見に行く予定の人は今すぐブラウザを閉じてください。

 

 

 

 

 

原作を3巻ぐらい読んで面白かったのでそこそこ期待していたが期待値が高すぎたので個人的には少しイマイチだった。

霊の造形があんまり怖くない。明らかに「霊ですよ。」という感じなので。人間が恐怖を感じるのはやはり、普段の何気ない風景の中の小さな違和感に気付くところからであり、造形により恐ろしさを出すよりも、一見生きている人間と何も変わりがないようなもののピントが少しだけずれているだとか、光の当たり方が明らかに違和感があるだとか、遠近感が変だとか、そういうのを見ると「うわぁ、怖。。」となるので、霊にCG使うの禁止してください。

でも生きている者は黒、死んだ者は白という色彩指定はなかなか面白いと思った。

BLレーベル原作なんだからもっと冷川と三角の関係性を丁寧に描いてほしかったなと思う。前半の禍々しく謎がちりばめられた描き方は結構好きだったが、後半はヒウラエリカの呪いのエピソードから冷川の過去がメインになってしまい、2人の運命共同体としての信頼関係の描き方がちょっと雑になってしまった印象。まぁ映画は2時間しかないうえに私も原作を全て網羅しているわけではないのでこの話の展開でうまくやっていたのかどうかは判断しにくいのだが。

舞台挨拶付き上映だったのだが、過去の冷川を三角が救うシーンは当初ワイヤーアクションで飛ばす予定であったが撮影したもののばっさりカットしたと監督が言っていた。カットして正解だと思った。

呪いをシステマチックな機構として扱うのであればそこもやはり丁寧にやって欲しいなと思った。呪いは増幅よりも拡散のほうが恐怖度が高い。呪いは目から血を流すといった肉体的破壊よりも逃れられない何か巨大な力により不幸な方に運命が引き寄せられていることをひしひしと感じる方が呪いっぽい。

平手くんはオーラがあってよかった。

滝藤さんの刑事役はとてもよかった。治安の悪い刑事役をやらせたら右に出る者のいない滝藤賢一。あと信じない者に呪いは効かないというのは実際正しいので。

宗教施設のロケ地がヘレナ国際カントリー倶楽部だった。

ホラーというより最終的には能力バトルっぽいのでそういうカテゴリの映画として見たほうがいいのかもしれない。

スタイリングはかっこよかった。

 

  • 樹海村 2021・日本 監督:清水崇

 

犬鳴村に続く第2弾ということもあり当初の期待値はあまり高くなく、犬鳴村の次は当然杉沢村が来るのだろうと思っていたがまさかの樹海村、しかもコトリバコを絡めてくるという意味のわからなさだった(コトリバコは島根のあたりの話という説がある)が、樹海の中に死にぞこねた自殺者たちが作った集落があるというエピソードに迫害されたものたちが作り出した呪いの造形物たるコトリバコをミックスさせたのは結果として悪くなかった。また、犬鳴村からの顧みられぬ迫害された者たち、誰もが目をふさいできた人間の歴史の闇の部分というテーマをうまくリンクさせ前作から一続きの「村ユニバース」を形成しているあたりも上手いと思った。

私はワンカット長回しの中で事件が唐突に起こるという演出がとても好きなのだけれど、樹海村では主に人が死ぬシーンでこの手法が多用されていて恐怖感があってとてもよかった。日常と地続きのところに非日常をぶっこまれると人間は恐怖を感じるので。

多分、普通に見逃してしまいそうな部分にたくさん違和感を忍ばせているので気付いたら「うわ、なにあれ」となる部分がいっぱいあってこういうところも上手いなぁ~と思った。

景気よく人がバンバン死ぬ映画なんだけど、いきなり車に轢かれたりいきなり上から人が降ってきたりというのはまぁあり得るかなと思うが(ねーよ)、個人的に一番恐怖を感じたのは台所で普通に料理を作っているように見せて自らの指を切断しようとしていたシーンですね。日常風景の一変。これは怖い。

あと前半で生きている人間と死んでいる人間をわかりにくくしている大仕掛けがあるんですが、あれはすごくよかった!ってか安達祐実さん、あの年齢不詳な容姿だからか死んでいる人の役がちょくちょくきますね。LOFTでも死んでる人の役だった。

コトリバコの呪いの発動が全方位の無差別型で関わった人間がほぼ死ぬという景気の良さは本当によかった。女子供以外にもなんなら箱に触れてすらいない見てすらいない人間すら死ぬ。不条理な暴力ほど恐怖を感じるものはないので。

残念だったのはコトリバコが禍々しい造形だったことで、もうちょっと簡素なもの、或いは元ネタ通り組木細工のようなものの方が人知の及ばない呪いが込められている感があってよかったと思う。あんなに見るからにヤバい箱は普通床下に置いてあったとしても絶対に触りたくない。

最後に妹が樹海に取り込まれるシーンはちょっとサイレントヒル(映画初代)っぽさがあった。

常にJホラーに飢えているので個人的には樹海村の「これだよ!!これが欲しかったんだよ!!」感はめちゃめちゃ大満足だった。さすが俺たちの清水崇!!

 

 

胸キュン映画売りをしているし、実際ラブコメであり、義理の姉弟間に恋愛感情が起こるというのは定番の設定ではあるのだが、別人に成り代わって付き合うというなかなかに荒唐無稽な設定でさえも登場人物の心の動きを丁寧に描いているのですんなりと受け入れて見ることができた。あとコメディとシリアスのバランスが絶妙なので重くも軽くもなりすぎないところがよかった。

とにかく森七菜ちゃん演じる湊/みながとってもキュートでかわいい。ただかわいいだけではなく複雑な関係性に揺れ動く内面を見事に演じきっていてすごいなと思った。

北斗くんもまた、森七菜ちゃんに負けないほど見事に透を演じていた。特に別れたくないと涙を流すシーンはとてもよかった。あとデカい。とにかくデカい。森七菜ちゃんが小さいことを差し引いてもデカい。そしてニコニコしたらかわいい。ワンコ、、、

個人的には小関くん演じる烏丸くんがかなり好きだった。いい人を装っていて内心ずるさや独占欲やしたたかさがあるんだけどそうはなりきれないあたりが人間くさくてよかった。幸せになってくれ烏丸くん、、、

湊が潔癖になったのは透の事後を目撃したのがトラウマになっているというのは生々しくてよかった。ってか自暴自棄になって女と寝まくるの普通に透やべーなと思うけど好きな女のためならエクアドルに行こうとしたりするやべぇ男なので自暴自棄になって女と寝まくることもあるかもしれない(ねーよ)

単純に相田翔子さんが好きなので母親役で出ているのがうれしかった。私が初めて好きになったアイドルはWinkなので。

城好きな湊の犬山城でのシーンは、もう少し城を舐めまわすように見るシーンなどがあればリアリティが出た。景色眺めてゆるキャラとはしゃぐのは普通の女子にもできるので城の造りを見る描写が欲しかったと思った。

胸キュンというよりも基本的に「誰かを思うことの痛み」のほうが強く描かれている映画なので胸キュンを求めて見ると「愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!!」「こ…こんなに…こんなに悲しいのなら苦しいのなら……愛などいらぬ!!」と、聖帝サウザーのような気持ちになるしこの映画に出てくる登場人物の殆どが実質サウザーみたいなものなのでライアー×ライアーは実質北斗の拳です。松村北斗が出てるぐらいだしな。でもケンシロウじゃなくてサウザーなんだよ(ライアー×ライアー北斗の拳ではない)

この映画の大きな仕掛けである「嘘」が全編うまく機能しているからこそ、あのラストシーンが映えるし、エンドロールでクソデカ感情に殺される。

七五三掛くんは引越し業者。